今年に入ってGamerFinger(HBFS-30)が日本で入手できるようになり、一部の人々に人気が出たようですが…今更感が私の中にあります。
今年に入って注目されたHITBOXにしても日本での流行はまず読めません。
なんか流行りに乗ってGamerFingerを買ったはいいものの全然満足できていない方や、軸交換でドツボにはまっている人を対象とした交換軸のオススメを書いていきます。
その前に、まず簡単にHBFS-30の歴史の時間
2012年
台湾のPei KaoさんがHBFS-30(HBFS-30-G1)というメカニカルスイッチを搭載できるボタンを制作するために、indiegogoでキックスターターを始める。
2013年
HBFS-30-G1であった端子部分の設計の甘さを改善し、GamerFingerと協力してHBFS-30-G2を販売する。
2017年
GamerFingerがG2を基に新設計したHBFS-30-G3(&HBFS-24)を販売する。
いま皆さんが国内で購入しているのは、初期のHBFS-30(G1)とは形が違う3代目ってことです。
初代は私も見たことはないのですが、2代目(G2)は購入しました。G2当時のキースイッチはCherry MX speed silverの登場前(2016~)なので搭載されているのは赤軸でした。
赤軸は三和電子製ボタンに使われているSW-68(約0.9mm)と比べると動作点が2.0mmと深く、反応が遅い印象だったのであまり使用していた記憶がないです…
その後、speed silverとなり反応が速くなったので3代目からはメインで使用してるって感じです。
つまりはGamerFingerにとってspeed silverの存在はデカかった
それくらいG3への進化は素晴らしかったのですが、最近HBFS-30を使い始めた人が銀軸から他のCherry MX軸へ変更するのを見ててちょっと複雑な気持ちになったりしています。
個人的には軸変更するのであれば同じspeedタイプをオススメしたいのですが、Cherry MXには銀軸の1種類しか存在しないので、Cherry MXと互換のあるKailh speed(カイファスピード)をオススメします。
まずメカニカルスイッチについて語る前に予備知識の時間
メカニカルスイッチの特性には大きく分けて3種類あります。
Linear (リニア)…静音/クリック感なし
スイッチを押し込んだ時に、押し込んだ量に比例して抵抗が大きくなっていくスイッチです。
スイッチONになった時に音/感触にフィードバック(反応)がなくどこで反応したのかが分かりません。
スイッチを押すことに引っかかりを感じないので高速でON/OFFすることに優位性があります。
Tactile (タクタイル)…静音/クリック感あり
スイッチを押し込んだ時に、スイッチONになる前後で感触が変化するスイッチです。
スイッチがONになる直前で感触が軽くなった後、感触が重くなってクリック音と共にスイッチONになります。
感触の変化によりスイッチの状態を確認できるため、正確性があります。
Taclile & audible / Clicky (タクタイル&オーディブル/クリッキー)…音あり/クリック感あり
スイッチを押し込んだ時に、スイッチONになる前後で触感が変化すると同時にクリック音(カチッ)があるスイッチです。
スイッチがONになる直前で感触が軽くなりますが、スイッチON後に元に戻ります。
クリック音と感触の変化によりスイッチの状態を正確に確認できますが、ON/OFFに抵抗があるため素早いON/OFFには向きません。
またメカニカルスイッチについて語るために以下の単語をさらっと読んでおいて下さい
押下圧(おうかあつ):スイッチが沈み始めるときの力
動作圧/作動力:スイッチをONにするために必要な力
接点/作動点(Operating position):スイッチがONになるまでの距離
リセット(Reset position):スイッチがOFFになるまでの距離
ストローク/移動距離:スイッチを押下できる最大距離
ここまでが前フリで後が本題になります。
1.GamerFinger(HBFS-30-G3)で採用されているメカニカルスイッチは何ですか?
Cherry MX speed Silverになります。
特徴としては…
・Cherry MXでは唯一のSpeed軸
speed軸は一般の軸より作動点が近い(銀:1.2mm それ以外:2.0mm)
・リニア特性で動作圧が45cNと軽い
静音かつ素早く押すことに優れたメカニカルスイッチです
2.どうしてKailh speedを勧めるのですか?
それはCherry MX speed silverと作動点が近く1.1~1.4mmだからです。
Cherry MXのspeed以外の軸と交換すると作動点が倍近くの2.0mmとなるため、高速で押すことに不向きとなるからです。
Kailhとは聞き慣れないかと思いますが、Hyper Xの銀軸はKailh speed silverを使用しています。またRazer専用軸の生産も一部Kailhが行っています。
3.Kailh speed switchにはどんな種類がありますか?
国内でKailh軸を販売している遊舎工房さんを参照してください。
Silver
タイプ:リニア
押下圧:約40g±10gf
動作圧:約40g±10gf
ストローク:3.5mm±0.3mm
作動点:1.1mm±0.3mm
Cherry MX speed silverよりも軽いタッチで反応する最速軸
Copper
タイプ:タクタイル
押下圧:約40g±10gf
動作圧:約50g±10gf
ストローク:3.5mm±0.3mm
作動点:1.1mm±0.3mm
Cherry MX speed silverにクリック感を足した軸
押した感触があるのでとても使いやすい
Gold
タイプ:クリッキー
押下圧:約50g±10gf
動作圧:約60g±10gf
ストローク:3.5mm±0.3mm
作動点:1.4mm±0.3mm
クリック前に重くなりタメがあるスイッチ
Cherry MX blueの作動点が近くなった感触
クリック音も大きめ
Rose Pink
タイプ:クリッキー
押下圧:約50g±10gf
動作圧:約50g±10gf
ストローク:3.5mm±0.3mm
作動点:1.1mm±0.3mm
Cherry MX speed silverにクリック感とクリック音を足した感触
音も大きいのでボタンを押す気持ちよさを感じたい人向け
Dark Yellow
タイプ:リニア
押下圧:約70g±10gf
ストローク:3.5mm±0.3mm
作動点:1.1mm±0.3mm
押下圧が重い銀軸…押していると疲れる
Burnt Orange
タイプ:タクタイル
動作圧:約70g±10gf
ストローク:3.5mm±0.3mm
作動点:1.1mm±0.3mm
Dark Yellowにクリック感をプラス
誤動作?そんなものはありえない…的な軸
Pale Blue
タイプ:クリッキー
押下圧:約70g±10gf
動作圧:約60g±10gf
ストローク:3.5mm±0.3mm
作動点:1.1mm±0.3mm
Dark Yellowにクリック感とクリック音をプラス
ボタン押してる感がMAX
4.Kailh speed switcはどこで購入できますか?
【予告】ラインナップ等はまだ告知できませんが、ざっくり来月下旬くらいから、Kailh製のSpeed軸を何種類か販売する予定です。GamerFinger製ゲームスイッチにて、銀軸以外もいろいろ試したいというニーズがありそうな気がします。詳細は、発売日の少し前くらいに改めて告知いたします。乞うご期待を! pic.twitter.com/YjwH9CtkbT
— 千石電商 公式 (@sengoku_densyo) May 16, 2019
5.オススメのKailh speed switchはどれですか?
個人的には動作圧の軽い『Copper』と『Rose Pink』をオススメします
どちらもボタンが反応するときにクリック感があるので、ボタンを押しているのが感覚でわかるのが強みです。
HBFS-30の静音を崩したくない人は、まず『Copper』を試してみると良いと思います。 www.kailh.com
長々と文章書きましたが、つまりはKailh speed Copperを試せってことで
こんな、かんじで~す(ミナミ
引用元: